このメルマガは、株式会社皓星社の「ざっさくプラス」最新情報や、新刊案内等を配信します。弊社サイトから購読を申し込まれた方や、これまでご縁があった方にお送りしています。
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目 次
★第四号をお届けします
☆在野研究者のレファレンスチップス 第四回(小林昌樹)
★書評未満/抄記以上 第四回(森洋介)
☆趣味の日本近代出版史 第四回(河原努)
★ざっさくプラスニュース
☆出版ニュース
★【宇野マサシ氏画集】クラウドファンディング開始のお知らせ
☆『訴歌』トークイベントのアーカイブ販売中!
★編集後記
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★第四号をお届けします
いつも弊社刊行物をご愛読、またデータベースをご愛用いただき誠に有難うございます。皓星社メールマガジン第四号をお届けいたします。
このメルマガでは、弊社の本やデータベースの新着情報とともに、弊社付属機関である近代出版研究所の活動報告も配信ししてまいります。
月1回配信いたします。お知り合いの方々へぜひ転送、拡散をお願いいたします。
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☆在野研究者のレファレンスチップス
第四回 Googleブックスの本当の使い方――日本人が本文検索をするために
小林昌樹(図書館情報学研究者)
■はじめに
皓星社公式ツイッターで第四回テーマのアンケートを取ったところ、いちばん票をとったのがGoogleブックスの使い方についてだった。「さて困った、あれは役には立つが、立たせるのにコツがいる。それにいきなり仕様変更するし、今年の初めだったかも変更したばかりで新しいからくりに自分も不慣れだ」と思ったのだが、「日本語の本を調べもののために検索するのに役立つ知識だけ」さらっと説明することにした。
■日本人にとって「使い物に」なったのは2006年から
発祥はともかく、我々、つまり日本語の本を調べたい人にとってGoogleブックスが始まったのは2006年のことだった。それまで英文など外国語ばかりで普通の日本人に縁がなかったが、ミシガン大学など米国大学にある「日本研究」――そういう学問があるのです――のコレクションが大量に検索できるようになったのだ。
2007年には慶應義塾大学から日本語書籍12万冊分が入ったが、同時期、ハーバード大学から1550万冊分が入っているのと比べると100分の1で、そこからの類推と、実際にここ15年ほど毎日のように使った感触から、やはり米国大学の日本書のプレゼンスは欠かせない。
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★書評未満/抄記以上
第四回 西洋人だからこそわかるナウでモダーンな「清朝考証学」――『哲学から文献学へ--後期帝政中国における社会と知の変動』(B.A. エルマン著)
森洋介(書物蔵・選)
■B.A. エルマン『哲学から文献学へ--後期帝政中国における社会と知の変動』馬淵昌也・林文孝・本間次彦・吉田純訳、知泉書館、二〇一四年十月
読了 2015/3/14
目次:http://www.chisen.co.jp/book/book_shosai/2014/200-7.html
→ http://www.chisen.co.jp/book/b211863.html
巻頭初ページ裏に記す原書名の副題「Intellectual and Social Aspekts of ... 」(斜体)はAspectsをドイツ語風に誤植したか。
原書一九八四年初版、補訂した二〇〇一年新版が底本。第二章は二版より新たに挿入せるものにて(「新版への序文」xxix)、哲学的註釈から文献学的批判へといふ学風変移の具体例として古文尚書「大禹謨」辨偽問題が閻若璩によって偽作説が定論とされる迄の研究史を継述する特論である(閻『尚書古文疏証』を再審した中島敏夫(#)等の近人は検討外なのはまだしも、野村茂夫「疑「偽古文尚書」考(上)」「仝(中)」(##)も参照されない)。それ以外は通論で、「レベルの高い教科書として最適な、専門性と一般性のあわいに位置するもの」(馬淵昌也「訳者解説」p.345)。既知のことが多い読者が頭から読まうとするとだれるかも。
#「《尚書》〈大禹謨〉「人心」十六字偽作説について(1)~(4)」愛知大学国際コミュニケーション学会『文明21』15~18号、二〇〇五~二〇〇七年: http://id.nii.ac.jp/1082/00003833/
##『愛知教育大学研究報告 人文科学』34・37輯、一九八五・一九八八年:http://hdl.handle.net/10424/3424
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☆趣味の日本近代出版史
第四回 児童文学雑誌『飛ぶ教室』から(2)柳田国男が唯一著書の刊行を許した地方出版社・山村書院
河原努(皓星社)
■理論社2代目社長の父も出版人?
8月の戦争物を挟んで、雑誌『飛ぶ教室』から見つけた出版人紹介の続きである。といっても、もともと前後編の予定であったので、今回でおしまい。同誌特集「子どもの本の出版」の3回目、理論社特集(38号)の開幕にあたる「ロングインタビュー 主体性探求と熱情と」(小宮山量平・山村光司・今江祥智)を読んでいると、次の発言が心にひっかかった。
小宮山 山村君は地方出版の御曹司で、私のところへやってきたわけだ。今だからいえばだな、やっぱりまともな本屋にしてお返ししなくちゃならないなという気持ちがぼくの中にあったもんだから(p97)
山村光司は理論社2代目社長で、まだご存命のようだ。さらに読み進めると稲葉通雄「山村さんとのこと」の末尾に
〔山村光司の〕御尊父が、信州の飯田で興された山村書院のお仕事がいまもなお、かたちをかえこそすれ、山村さんの胸中深く燃え続けていることを、あらためて僕は強く感じるのです(p140)
という記述があり、これで光司の父が経営していた出版社名が掴めた。これらを手がかりにインターネットを検索すると「よむとす No.186 活字に魅せられて70年 塩澤実信の本」という記事を見つけた。
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★ざっさくプラスニュース
【zoom商談・使い方ガイダンス 始めます】
Zoomを使ったご案内を始めます。ご契約機関様には使い方のご案内を、導入をご検討中の機関様には商品説明をさせていただきます。
1回30分単位~ご予約いただけます。ご予約や、トライアルのお申込みはこちらから。
【閉鎖するデータベースのデータ、お引き受けします】
ざっさくプラスは、閉鎖予定のデータベースのデータを引き取り、続けて公開します。かねてより、図書館関係者の方から「科研で作られたデータベースで、非常に有益なものなのに、教授の退官時や公開サイトの閉鎖時に消滅してしまうものが多い」という声を聞いておりました。そうしたデータを消さず、拾い上げたいと考えています。方法は主に以下の2通り。
①データを引き取り「ざっさくプラス」に登載。(無償)
②独立したデータベースとして引き取り連携検索して検索結果を「ざっさくプラス」と共に一覧表示。(費用等応相談)
どちらも検索結果に元のデータベースのデータであることを示すアイコンを表示します。
詳しいお話をお聞きになりたい方、お問い合わせフォームよりご連絡ください。
【先月からの新規登載情報】
〇独自登載分
「沖縄経験」第1巻第1号(1971年夏)〜第2巻1号(1973年秋)
※沖縄の本土復帰(1972年)を挟んだ時期に、大田昌秀(のち沖縄県知事)と作家の大江健三郎が出した季刊誌。大江が編集兼発行人を務め「沖縄日記」を連載。大城立裕、木下順二、池宮城秀意らが寄稿。全5冊。
「ブックガイド・マガジン(BGM)」創刊号(1990年8月)〜第3号(1990年12月)
※幻想文学出版局の書評誌で、同社『幻想文学』から書評頁の分離独立を図って創刊したが3号で休刊。種村季弘、矢川澄子、須永朝彦、金子隆一、平岡正明、池内紀、長山靖生、倉阪鬼一郎、浅羽通明らが執筆。
「混沌」創刊号(昭和49年3月)〜第42号(令和元年9月)
※中尾松泉堂書店発行、混沌会編集の研究同人誌。副題は「大阪芸文研究」で水田紀久、野間光辰、田熊渭津子、肥田晧三、中村幸彦、中野三敏、日野龍夫らが執筆。30号までは雑誌総目次、以降は原本目次から登載。継続刊行中。
「哲学 ars combinatoria」0号(1987年11月)〜11号(1990年6月)
※哲学書房の哲学誌(季刊)で、同社長の中野幹隆が編集発行人を務めた。柄谷行人、吉本隆明、養老孟司らの他、島田雅彦、井辻朱美、いとうせいこうも執筆、ライプニッツ、オッカムなどの原点初訳も。12号は欠。
「PICABIA(ピカビア)」創刊号(1989年11月)〜12月号(1990年11月)
※六耀社のデザイン誌(隔月刊)。特集「テリー・ジョーンズ」「ニック・ナイト」(5号)、「ジェフ・カーン」(6号)、「バルセロナ・ディテール」(7号)。海老原嘉子、田中一光、海野弘、柏木博が連載。全7冊。
「大衆文學論叢」創刊号(昭和49年10月)〜第6号(昭和53年7月)
※日本大衆文学会の研究同人誌。5号までの編集兼発行人は同会代表で「幻影城」の島崎博。二上洋一、矢部憲市、竹内博、福島行一、荒俣宏、紀田順一郎、横田順彌らが寄稿。全6冊。
「海軍」「若桜」創刊号(昭和19年5月)〜5・6月合併号(昭和20年6月)
※講談社が太平洋戦争末期に創刊した児童雑誌(月刊)で、「海軍」は海軍省、「若桜」は陸軍省が後援。「海軍」は国立国会図書館未所蔵。「大衆文學論叢」6号掲載の総目次から登載。
「ポケット」第1巻第1号(大正7年)〜第7巻第1号(大正13年)
※博文館の月刊大衆文芸雑誌。昭和2年3月終巻までのうち、浜田徳太郎が編集兼発行人時代の大正13年1月号までの分を「大衆文學論叢」6号掲載の総目次から登載。同誌は国立国会図書館未所蔵。
「現点 現代日本文学研究」1号(1983年2月)〜第10号(1990年秋)
※「現点」の会の研究同人誌。特集は1号から埴谷雄高、島尾敏雄、吉行淳之介、井上光晴、三枝和子、筒井康隆、後藤明生、物語、情報、文学交流。山田風太郎や井上ひさしのインタビューなども。全10冊。
「アフリカを学ぶ雑誌/a」第1巻第1号(1970年9月)〜第2巻第3号(1973年8月)
※理論社の、文字通り「アフリカを学ぶ雑誌」(季刊)。アフリカ問題懇話会編集。野間寛二郎、五味川純平、澤地久枝、楠原彰、大岡俊明らが寄稿。現地指導者の言葉も。全7冊。
「PeeBoo(ピーブー)」1(1990年4月)〜30(1998年11月)
※ブックローン出版(→BL出版)の季刊絵本ジャーナル。編集人代表は太田大八で、宇野亜喜良、長新太、長谷川集平、田島征三、川端誠、杉浦範茂、田畑精一、村上康成らが編集人に名を連ねる。全30冊。
「國家教育」第1號(明治23年10月)~第18號(明治25年3月)、第1號(明治25年5月)~第57號(明治29年12月)
※明治館(→壬辰社)の月刊教育誌。伊沢修二が創刊、明治館時代(前期18冊)は安積五郎が編集を担当。巻頭に聖徳(皇室)欄を設ける。ゆまに書房から複製版あり。全75冊。
「書紀」創刊号(1975年3月)〜第5号(1977年2月)
※書紀書林の季刊詩誌で、稲川片人と平出隆が編集。河野道代、山口哲夫、荒川洋治、柳瀬尚紀、岡田隆彦、多田智満子、出口裕弘、窪田般彌、清水哲男、吉増剛造らが執筆。6〜9号は未見。
「あるとき」5月創刊号(1978年5月)〜4月号(1979年4月)
※弥生書房の月刊誌。吉野せい、串田孫一、戸板康二、高橋健二、小田島雄志、杉本秀太郎、秦恒平、富士正晴、谷川俊太郎、野呂邦暢、小沼丹、吉行理恵、水上勉、増田みず子、古山高麗雄らが執筆。まる1年、12号で休刊。
「河伯洞記念誌 あしへい」創刊号(2000年12月)〜第22号(2019年12月)
※創言社(→花書院)発行、葦平と河伯洞の会編集の、作家・火野葦平の研究誌。玉井闘志、玉井史太郎、中村哲(ペシャワール会)ら一族の他、出久根達郎、ドナルド・キーン、舛添要一らも寄稿。全22冊。
「安全第一」第1巻第1号(1917年4月)〜第3巻第3号(1919年3月)
※安全第一協会が発行した、日本初(大正期)の社会安全運動の月刊誌。内田嘉吉、高木兼寛、江原素六、小田川全之、蒲生俊文、的場朝二らが執筆。不二出版の復刻版総目次から登載。全24冊。
「季刊ウ其山」第1号(1983年9月)〜第22号(1988年12月)
※内山書店の出版PR誌。7号に内山嘉吉の追悼、9号に「内山書店と内山完造」特集あり。黎波、張承志、湯志釣、黄瀛、杜宣らが寄稿。全22冊で、平成元年からは月刊中国図書へ移行。
「ラ・メール」第1号(1983年7月)〜第40号(1993年4月)
※思潮社(→書肆水族館現代詩ラ・メールの会)の季刊詩誌。新川和江と吉原幸子の2人が編集人を務め、女性詩人の発表の場として一時代を築く。もちろん男性も寄稿。全40冊。
「小学校女教員」第1巻第1號(大正14年10月)〜第2巻第12號(大正15年12月)
「かがやき」第3巻第1號(昭和2年1月)〜第4巻第9號(昭和3年10月)
「教育女性」第4巻第10號(昭和3年10月)〜第19巻第12號(昭和18年12月)
※全国小学校連合女教員会の月刊教育誌。石川ふさ、林フジ、花木チサヲ、木内キヤウらが執筆。大空社の復刻版から登載で、うち「教育女性」は欠号4冊有。
〇NDLデジタルコレクションからの追加分
「染色雑誌」1-1(1890年2月)〜40(1893年5月)
※染色雑誌社の月刊誌。国立国会図書館デジタルコレクションから「祝詞」「批評」「寄書」「翻訳」などの粗い目次を取り直して573件の記事を登載。大竹多気、平尾三郎、中村喜一郎らが執筆。20号欠の全39冊。
・新規登載情報につきましては、Twitter皓星社ざっさくプラスアカウント(@zassakuplus)でも随時お知らせしております。どうぞご覧ください。
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☆出版ニュース
【新刊】
『叛乱の時代を生きた私たちを読む 自己史としての短歌評』
9月10日刊、定価2,500円(+税)
岡部隆志著。1960年代後半から70年代にかけて、自らの体験した政治闘争の時代を短歌に詠まざるを得ない歌人たちがいます。その切実さの理由はどこにあるのか。研究者、評論家、元活動家という立ち位置を明らかにし、自身のライフヒストリーをもとに論評します。
【近刊】
『虹のむこうには 為さん・大作さんの言葉ーーハンセン病取材二十年の記録』
10月5日刊予定、定価1800円(+税)
小川秀幸著。三重テレビ放送に勤める著者が、取材でハンセン病回復者と出会ってからおよそ20年。ふたつの国立ハンセン病療養所がある長島(岡山県瀬戸内市)を舞台に、療養所の入所者の皆さんとの親しく深い交流を通じて、ハンセン病をめぐる諸問題を考察した取材記です。俳優の常盤貴子さんの特別寄稿も収録。
『アナキズムを読むーー〈自由〉を生きるためのブックガイド』
10月22日刊予定、定価2,000円(+税)
田中ひかる編。不自由を強いられるパンデミックが長引くなかで、私たちはどう生き、将来をどう思い描いたらいいのでしょうか。ここに一つの手がかりがあります。それはアナキズム。みんなが生きやすい社会を構想するために、豊かな生き方と考え方を探る“希望と解放”の読書案内です。55のブックガイドとコラム・エッセイのほか、編者による「アナキズムの歴史と現在」を収録。
『大正アナキストの夢——渡辺政太郎とその時代』
10月22日刊予定、定価2,000円(+税)
多田茂治著。渡辺政太郎(1873-1918)は、堺利彦、幸徳秋水と同世代、後輩格の大杉栄、荒畑寒村らとも苦楽をともにした大正期の社会運動家でアナキスト。本書は、彼らの活動を陰で献身的に支えた政太郎の生涯と、彼が生きた時代を活写した本格的評伝です。土筆社刊(1992年)の新装版。解説は映画監督・瀬々敬久さんです。
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★【宇野マサシ氏画集】クラウドファンディング開始のお知らせ
2021年9月15日(水)より、クラウドファンディングプラットフォームREADY FORにて、画家・宇野マサシ氏の画集『賚−らい−』の先行予約受付を開始しました!
突如蔓延した新型コロナの影響から多くのアーティストが展覧会や演奏会、舞台の中止を余儀なくされ、直接的な発表の場を失ってしまいました。鑑賞の目を失っては作品は死んでしまいます。そこで、私達皓星社は、画集を「紙上展」と位置づけて多くの人に宇野マサシ氏の作品を見てもらいたいと考えました。
日本を旅して時にそこに居を定め、生活の一瞬を写し取ることに賭けてきた宇野マサシ氏は、それゆえに《放浪の画家》と呼ばれました。「気まぐれ美術館」で有名な現代画廊の洲内徹に高く評価され、長谷川利行や瞽女絵の斎藤真一を世に出した伝説の画商・木村東介は、宇野氏を世に出すことを画商としての最後の仕事と位置づけました。しかし、不幸にも洲内徹、木村東介の相次ぐ逝去によって、宇野氏は知る人ぞ知る画家として今日に至ります。
人、そして風景との偶然の出会いは、全て天からのたまわりものだと考えている、と宇野マサシ氏は言います。それらの思いを込め、画集のタイトルとして「たまわりもの」そして「天の恩恵」の意味を持つ『賚−らい−』という漢字を選びました。
作品は20代の頃の初期のものから、直近は2010年代まで網羅的に収録する予定です。これまで絵画作品を体系的にまとめるのは初の試みであり、画家・宇野マサシ氏の集大成的画集となります。
《夜明けの新宿》1996年、100号F
皆様のご支援のもと、これまでの画業を画集としてまとめたい。そして、改めて日本に漂う原風景とそこに生きる人々に想いを馳せていただくことで、この先の見えない暗闇の中に一筋の光を見出していただきたい、というのが宇野マサシ氏の心からの願いです。
そして、この混乱した情勢が終息した暁には、開催時期は未定ではありますが、出版記念の展覧会を開き、皆様に直接作品を見ていただきたいと思います。
どうぞ温かいご支援のほど、よろしくお願いいたします。
【プロジェクト概要】
画家・宇野マサシの画集出版についてのプロジェクトです。
ご支援金は、画集の製作費の一部に充てさせていただきます。
・期間:2021年9月15日(水)午前10時〜11月1日(月)午後11時
・目標額:100万円
・事務局:株式会社皓星社
・プロジェクトページはこちら
【制作予定画集】
・B5サイズ画集『賚−らい−』
・著者:宇野マサシ
・発行部数:500部程度
・版元:株式会社皓星社
・発売予定日:2022年1月31日
【宇野マサシ氏について】
1948年、愛知県豊田市生まれ。新宿美術研究所にて山口長男、麻生三郎らから基本を学び、同時にボナール、スーチン等の色彩の持つ生命力に感銘を受ける。1976年、銀座の現代画廊・洲之内徹に見出され二度の個展を開催。その後、梅田画廊・土井憲司と出会う。1983年には、昭和美術史を支えた伝説の画商とも呼ばれる羽黒洞・木村東介と専属契約を結び、朝日アートギャラリーや柊美術店、松坂屋、そごう等の大型デパートで展覧会を実施。現在は書家である妻・小畑延子と共に下町平井で暮らす。著書に『ぼくの旅ー放浪と人と絵とー』(2014年、皓星社)がある。目下、豊田市の「矢作新報」に随筆連載中。
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☆『訴歌』トークイベントのアーカイブ販売中!
8/29に下北沢の本屋B&Bにて行われた『訴歌 あなたはきっと橋を渡って来てくれる』刊行記念イベント《阿部正子×ドリアン助川 表現者たちの生きた証を残していくこと》のアーカイブ販売が始まりました!
『訴歌』は、全国のハンセン病療養所で詠まれた短歌や俳句、川柳などを集めたものです。イベントでは、編者阿部正子様と本書の前身である『ハンセン病文学全集』(皓星社、全10巻)との偶然の出会い、編集上のこだわり、そしてそこに込めた想いをお話しいただきました。また、編集者として長いキャリアを持つ阿部様。これまで手がけてこられた本の紹介や仕事にかける情熱の秘訣などについてもお伺いしました。
さらに、ドリアン助川様による『訴歌』におさめられた短歌・俳句・川柳の朗読と作品解説もお楽しみいただけます。
本書ならびに本イベントはハンセン病についての理解を深め、病とそれをめぐる差別や偏見と長い間闘い続けてきた人々の生き様を知るための一つの機会でもあります。書き残されたその跡から、何を感じるかは私たち一人一人の知識と共感に任されています。皆様ぜひご覧ください。
【販売・視聴期間】
9月22日(水)〜10月31日(日)
※本イベントのアーカイブ販売・視聴は期間限定です。
※Vimeoの限定公開URLを発行いたします。インターネット接続環境下のPCやスマートフォン、タブレットからのご視聴が可能です。
※ご購入直後に視聴用のURLが送信される都合上、お客様都合によるキャンセルは承っておりません。何卒ご了承ください。
お申し込み、詳細につきましてはこちらをご覧ください。
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★編集後記
世田谷文学館では開館25周年記念として《台湾交流ミニイベント2021》が開催されています。イラストレーター・安西水丸の企画展が最終週だったこともあり、エントランスには文学館という場所では見たことのない程の長蛇の列が。イベントは日台出版エージェントである太台本屋と台南の国立文学館も協力しているそうで、台湾翻訳書の販売あり、茶葉やパインケーキ、アパレルグッズのポップアップストアあり、文学史をまとめた展示ありと大盛況でした。昨年2020年は、台湾を舞台にした作品を数多く残した佐藤春夫の渡台からちょうど100周年です。佐藤は台湾を単なる一旅行地として消費するのではなく、言語や暮らしを奪われた人々へも視線を注いだ作家でしたが、当時支配者の側にありながら備えられていたその俯瞰的思考は、現代の私たちにも学ぶものがあるように感じます。(楠本)
メールマガジン2号の拙稿で言及した、児童文学雑誌「PeeBoo(ピーブー)」を「ざっさくプラス」に登載しました。同稿で児童文学を優先的に登載したいと言いつつも、最近一番優先して登載している分野は近代文学系の研究同人誌。冊数が少なく手軽に登載誌数を増やせる上、中身は手堅く、利用者の皆様の需要を満たせると思いまして。古書展で偶然手にした雑誌に興味を引っ張られる場合もあり(「漫画百年」「混沌」なんかはそうです)、雑然とした登載告知の連なりから面白そうな雑誌を見つけて頂けると幸いです。(河原)
山田奨司さんの新著『著作権は文化を発展させるのか 人権と文化コモンズ』(2021年7月、人文書院)を読みました。著作権を、著作物を受容するユーザーの側から捉え直す(!)という著者の提案の根底には、複雑化してゆく現在の日本の著作権法は本当に「文化の発展に寄与」しているのか?という問題意識があります。今年3月に「著作権法改正は民業を圧迫するか」を書きましたが、元々私は「過保護な親が子どもの成長を妨げるように、過度な著作権保護は文化の発展を阻害する」という考え方ですので、本書のこの画期的な提案に胸の内で快哉を叫びました。この本に書かれているような思想でもって、本当に、文化の発展に寄与する著作権法になってほしいと強く思います。(晴山)
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第四号をご一読いただきありがとうございました。
今号の小林昌樹さんの【在野研究者のレファレンスチップス】は、皓星社公式Twitterアカウント(@koseisha_edit)にて事前にアンケートを取った中で、最も要望の高かった《Googleブックスはどう使う?》というテーマで小林さんにご寄稿いただきました。次回は、続いて票の多かった《戦前の新聞記事はどう探す?》――出版年によって形態もさまざまな新聞記事の探し方をお教えいただきます。知りたい事柄に近づく第一歩としてのレファレンス・チップス、次回もどうぞご期待ください。
また、小林さんが本日9月24日(金)のNHKラジオ《高橋源一郎の飛ぶ教室「資本主義と管理社会の極地で見たもの」》にゲストとしてご出演されます!
【きょうのセンセイ】というコーナーにて、膨大な資料を管理する図書館の裏話やプロの情報検索のスゴ技などを、作家の高橋源一郎さんとアナウンサーの小野文惠さんのもとご披露されるとのこと。放送は本日聴き逃しサービスもありますので、ご利用ください。
さらに、次号より本をめぐるリレー新連載が始まります!
本は決して出版社から出されては終わりというわけではなく、そこから取次を経て本屋の店頭へ並び、そして読者の皆様へ届きます。また、ある読者の手に渡ったのちも、そこで長い年月を経て古書店へ流れ、また別の読者へと流れていくこともあります。皓星社メールマガジンでは、水の流転のようなその仕組みに携わる方々に、本に関する興味や関心、ふと気になったことやもっと変えていきたいことを発信する場を作りたいと考えました。リレー方式で、本を中心としたゆるくひらかれた憩いの場のような連載を隔月でお届けいたします。
記念すべき第一回をご担当いただきますのは、
本屋B&B(下北沢)で書店員をされております
錦織可南子様です!
錦織様は、『訴歌』トークイベントの企画・調整・配信とご協力いただき、今回この連載企画も快くお受けくださいました。2012年7月のオープンから、書店でありながら著者や編集者を招いたトークイベントも精力的に開催している本屋B&B。コロナ禍で実際にイベントに足を運ぶことが難しくなった現在では、オンラインイベントという形で本と読者を繋げる役割を果たしています。そんな中で感じたあれこれについて、錦織様にご寄稿いただきます。
新連載開始に伴い、森洋介さんの【書評未満/抄記以上】は隔月での連載となります。次回は11月号ですので、こちらもお楽しみに!
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